転職アドバイザーの佐藤クリスです。

 

2017年4月の有効求人倍率は1.48倍という結果。これは、バブル期の1990年11月の1.45倍を上回る記録となりました。

 

人手が足りず、企業は数少ない求職者を取り込むために必死です。最近は「ノー残業」、「残業少なめ」をうたう企業が増えていますが、スーツ販売大手「スーツのはるやま」を展開するはるやまホールディングスは、なんと「No残業手当」を今年度から導入しました。月間の残業がゼロだった社員に対して、15,000円の手当を支給するそうです。

 

 

CMはガッキーを起用しています。

 

はるやまホールディングスは、NHKの『クローズアップ現代+』にも取り上げられていました。時間内で業務を終了させるよう、店内で通常10秒かかる距離を8秒で歩くトレーニングをしたり、稼ぎ頭のベテラン社員も定時退社のために時間を切り詰めていたりと、かなり企業努力をしている模様です。

 

電通の高橋まつりさんの事件がきっかけとなり、政府はようやく「過労死等ゼロ」緊急対策を取りまとめ、世の中もその動きに準じてきています。

 

しかし、まだまだ悪質なブラック企業は存在するのも事実。業務終了時刻になると社員全員にタイムカードを切らせ、そのまま時間外労働させている企業もあるといいます。それも、そこそこ有名な企業なので始末に負えません。

 

たとえそのようなブラックに勤めていたとしても、スキルが身につくなり、人脈が作れたりなど何かしらメリットがあるのなら、続けていく意味はあると思います。

 

そうではなく、仕事は辛い、人間関係もこじれている、プライベートな時間がなく疲れ果てている…といった状態であれば、即刻転職活動をするべきです。あなたが20代であれば、引く手あまたです。

 

熟年世代の価値観の押しつけは、ブラックそのもの

 

それでは、なぜ無理のない労働環境づくりを推し進める世の中の動きに逆行する企業がまだまだ多いのか? それは、40代以上の課長クラスより上のベテラン勢が、若者の意識を理解できてないからです。

 

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが今年度の新入社員に調査した「会社に望むこと」というアンケートがあります。

 

 

3位には「残業がない・休日が増える」が入っており、次いで4位は「給料が増える」という結果になっています。これは、前年度までは「給料が増える」が「残業がない・休日が増える」より上位のランクだったのですが、今年になって初めて順位が逆転したそうです。

 

もちろん、熟年世代も頭では若者の労働意識の変化はわかっているのだと思います。ただ、それを良しとせず、自分たちが長時間労働で鍛えさせられた苦労を押し付けようとしているのであれば、その環境はまさにブラックです。

 

焼け野原から再出発した戦後日本は、モーレツに働いてGDP世界2位にまで成長を遂げました。そして安定成長は終焉しバブル崩壊、リーマンショックからのデフレ期、アベノミクスと推移し、今、経済は成熟期を迎えていると言っていいでしょう。

 

物質的な豊かさを求める時代はとうに過ぎ去り、若者は交友関係、コミュニティ活動、趣味、自分磨きといった精神的な豊かさを求めています。

 

そのような若者世代に、熟年世代と同じ価値観を押し付けても、それは無理に決まっています。

 

考えを改められない熟年層が幅をきかしている職場にいても、良いことはありません。家庭を持つ前に、自分の働きやすい環境に身をおき、力をつけていくことが賢い選択肢だと思います。