転職アドバイザーの佐藤クリスです。

 

今は空前の売り手市場で、「ブラック企業」とレッテルを貼られてしまうと人材が集まりません。このような状況をしっかり認識している企業では、残業や残業代の支払などは労働基準法を順守し、それを必死でアピールするケースすらみられます。

 

ところが、こともあろうに入社後、「うちの会社は年俸制だから、残業代はでないよ」と平気な顔で言う企業もあるそうです。それって、アリなんでしょうか?

 

 

そもそも、年俸制は月給制とどう違うのでしょう?

実は、法律的には賃金決定の時間的単位が「年」であるというだけ。それが「月」であれば月給制だし、「日」であれば日給制、「時」だと時給制となります。

 

ですので、月給であろうと年俸であろうと、残業が発生した場合、企業はその分の賃金を支払う義務が当然あるわけです。

 

「年俸制≒成果主義」は大きな勘違い

 

ここでちょっと、年俸制について考えてみましょう。

 

厚生労働省の就労条件総合調査(2014年)によると、年俸制を導入している企業の割合は9.5%。2006年の同調査では17.3%、2010年では13.4%ということで、年俸制を導入している企業は年々減少しています。一方、企業規模が大きいほど導入している割合が高いこともわかっています。

 

月給制の企業で働いていると、あまり年俸制のイメージがわかないかもしれません。大企業?外資系?成果主義?といったちょっとハードルが高そうなイメージや、ボーナスや残業代は出ないのでは…??などというデメリットを思い浮かべてしてしまう人もいるでしょう。

 

もちろん、労働基準法では「毎月1回以上の支払の原則」がありますので、年俸制でも12分割、もしくは年2回のボーナス月を想定して14分割で支払われるケースが一般的です。

 

年俸制≒成果主義のイメージがついてしまいがちなのは、スポーツ選手の報酬が年俸制だからでしょう。年俸は成績に大きく左右されます。代理人を伴い、評価を巡って所属チームと交渉するスポーツ選手の姿は、テレビでもお馴染みです。

 

そうした背景もあるせいか、日本では年俸制と成果主義をセットにしている企業が多いのも事実。これは、大手企業などが年功序列から成果主義に移行しやすいように、給与の支払と評価制度をいっぺんに変更したためだと思われます。

 

つまり、月給制を維持しながら成果主義に変更するより、成果主義と親和性の高い年俸制にしてしまったほうが反発が少ないという企業側の戦略にまんまと乗せられているのです。

 

しかし、勘違いしてはいけません。年俸制だからといって、時間外労働手当を支払わなくていいなんてことはありません。企業は年間での評価額にプラスして、規定の時間外労働手当を支払う義務が当然あります。

 

ただ、気をつけなければいけないのは、年俸額に「みなし残業」が含まれている場合。仮に「みなし残業60時間」となっていたら、月60時間以内の残業代は支給されないということになってしまいます。これは、月給制でも同じです。

もし、あなたが現在働いている企業や、これから転職しようと狙っている企業が年俸制の場合は、会社の規定をよく調べてみたほうが良さそうです。

 
 

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