転職アドバイザーの佐藤クリスです。

 

またしても、痛ましい事件が発覚しました。

 

NHKの女性記者(当時31)が、2013年7月に心不全で死亡。

14年に過労死として労災認定されていたことがわかりました。

死亡直前1ヶ月間の時間外勤務は、159時間。休日はたったの2日間だったといいます。

 

 

亡くなったのは、05年に入局した佐戸未和さん。

13年6月の都議選や同7月の参院選を取材し、参院選投開票日の3日後、死亡。

発見されたときは、携帯を握りしめた状態で自室のベッドに横たわっていたそうです。

 

それにしてもなぜ、3年も前に起こった過労死事件を今になって公表するのか。

他人のスキャンダルや不祥事は我先と報道しますが、身内の不都合な事実はなるべく表沙汰にしたくないというマスコミの隠蔽体質が透けて見えてきます。

 

マスコミの最悪な労働環境

 

2015年末に起きた電通新入社員・高橋まつりさんの過労自殺事件がマスコミで大々的に報道され、政府が進める「働き方改革」の認知度も広まり、労働時間問題が話題に上ることも増えてきました。

 

しかし、この問題を取材していた新聞記者は、内心「とても電通のことを言えたもんじゃない」と思っていたそうです。

新聞社自体が、電通に勝るとも劣らない長時間労働を強いられているからです。

 

全国紙の新聞記者は、入社後すぐに地方の社会部に配属され、警察担当、別名「サツ回り」を任されます。

毎日発生する事件情報が集中する警察署で取材力を鍛え、記者としての経験を積むという訳です。

 

担当しているエリアで事故や災害、事件が起きれば、どこにいようが何時だろうが現場に出向かないといけない。いつ、何が起きても出動できるよう、担当エリア付近に部屋を借りているのです。

旅行などはもってのほか。移動の自由がないのです。

 

毎日締切に追われ、やっと校了したかと思えば、次のネタを探さなければなりません。

ジャーナリストや評論家といった関係者と会食し、終電で帰ることができる日は珍しいといった有様。

 

体力・精神ともにクタクタで頭が働かない状態でなんとかこなしている…。ほとんどうつ直前で働いている記者も少なくないといいます。

 

慣習、制度、意識…多面的な改革が必須

 

マスコミや広告系は、仕事内容的にどうしても労働時間が長くなりがちな傾向があることは事実です。

しかし、だからといって過労死してしまうほどの労働環境は、改める必要があります。

 

よく言われているのは、「ワークライフバランスを気にするのであれば、うちの会社(マスコミ・広告業界)に来なければいい」ということ。

 

これはある意味一理あるのかもしれません。

しかし、そのために体を壊してしまったり、精神を病んでしまったりしてしまったとしたら、それは間違いなく会社側の責任です。

 

いくらハードな仕事といえども、健康的な生活を犠牲にするような労働環境のままではいけません。改善するのが会社としての責務です。

 

どの業界もそうですが、優秀なスタッフほど多くの仕事の依頼が来ます。

そうした出来るスタッフが仕事を抱え込みすぎ、心身ともに疲れ果ててしまい、結局会社を去っていってしまうのであれば、それは会社の損失でしかありません。

 

現在、マスコミ業界も、時間外労働問題を報道する側の自己矛盾にようやく気づき始めた、さあどうしよう、という段階のような気がします。具体的な解決策は、何もありません。

 

慣習、制度、意識など、様々な側面で改革が必要です。

マスコミや広告業界を志望している方は、転職しようとしている先の会社がどういう労働環境なのか、よく調べてから面接を受けたほうが良さそうです。