学生からもっとも人気のある企業って知ってますか?
転職アドバイザーの佐藤クリスです。
学生からもっとも人気のある企業。答えは、「電通」です。
楽天が調査した「就職人気企業ランキング」(2016年)によると、
- 第1位 電通
- 第2位 ANA
- 第3位 伊藤忠商事
となっています。
しかし、2016年は、電通にとって受難の年となってしまいました。
大きなところでいえば、まずはweb広告の過剰請求。
100社以上の企業に広告費を過剰請求していたのですが、これはトヨタという大企業の訴えにより明るみに出ました。
過剰請求されていると薄々気づいていたとしても、トヨタほどの企業でなければ訴えることすらできなかったと予想されます。
それほど、電通という企業は巨大な力を持っているのです。
もうひとつ大きな問題は、新卒で入社した高橋まつりさんが過労とストレスのために入社9ヶ月で自殺し、労災認定が下されたことです。
月100時間以上の労働という過酷な業務のほかに、上司によるパワハラも自殺の原因のひとつと見られています。
「君の残業時間は会社にとって無駄」
「会議で眠そうな顔をするのは自己管理ができていない」
「目が充血したまま出社するな」
「今の業務量でツライのはキャパがなさすぎる」
と散々なことを言われていたそうです。
それは自己管理ができていないのではなく、ましてやキャパがなさすぎるのでもなく、上司が社員をマネジメントできていないだけ。
自分で責任を取らず、部下に押し付ける――これは、典型的なブラック企業の特徴です。
憧れの企業に就職したとしても、死にたくなるほど嫌な場所で頑張る必要はまったくありません。
心が折れて自分を失ってしまう前に、さっさと転職を考えましょう。
「憧れ」だけで入社すると地獄を見る!
確かに、電通は普通の企業とはまったく違う体験が待っています。
- ●新人歓迎会では記憶がなくなるまで飲ましてくれます。
- ●新歓後も、時間があれば先輩が朝の4時まで飲みに連れてってくれます。
- ●そこに、その先輩がちょっとした芸能人や有名人を連れてきてくれたりします。
- ●朝の4時まで飲まされた挙句、定時出社を強要し、時間管理の厳しさを教えてくれます。
- ●そんな日はただ定時出社さえすればよく、1日中トイレにこもっていても黙って許す優しさを見せてくれます。
- ●コンペでは博報堂に対する異常な執着をみせ、絶対負けるなとものすごい剣幕ではやし立てられます。(ちなみに業界1位電通は、業界2位の博報堂に売上的には2倍ほど差をつけています)
- ●お客様を喜ばすためなら、銀座の街を裸で闊歩します。
電通の実態というのは、こんなもんです。
まともな感覚が通用しない世界なのです。
とはいえ、広告業界で一旗揚げてみたい、華やかな世界で自分の力を試してみたい、などと野心に満ちた人であれば、電通目指して就活するのも大いにアリだと思います。
しかし、大企業だから、安定しているから、などといったヤワな気持ちで通用するような世界ではありません。
こちらでも述べましたが、自分の志向を理解しないまま、なんとなく就職してしまうと、あとで痛い目を見てしまいます。
ワークライフバランスを重視する人は、企業の知名度よりも実態をよく調べ、自分にあった会社を選びましょう。