転職アドバイザーの佐藤クリスです。
東京都知事の小池百合子さんが初代キャスターを勤めていたテレビ東京の深夜の報道番組『ワールドビジネスサテライト』。
現在は大江麻理子アナがキャスターを担当していますが、そのWBSで「ミツカリ」という人材サービスを紹介していました。
要は適性検査なのですが、ちょっと違うところは、「応募者だけではなく、社員も検査を受け、企業カルチャーや部署の特性を可視化し、応募者とどのくらいフィットするのかを判断できるシステム」というところだそうです。
番組で紹介されていたのは、京都のスポーツ用品店のケース。
面接ではしどろもどろで頼りない応募者だったが、マッチングスコアではAマイナスと高評価。
スポーツ自転車が趣味の応募者は、高額自転車を多い日では1日に4台も売り上げるという好セールスを記録した、というもの。
正直、取ってつけたような結果だと思いましたが…w。
あくまでスペックを見るものではなく、特徴や価値観を診断するものだそうです。
良い悪いではなく、あなたはどのタイプの特性を持った人間なのかと。
面接では緊張してしまい、本来の自分が出せないことも当然あるでしょう。
会って話しただけではわからない、面接者の表に現れなかった特性が見えてきて、適切な部署に配置すれば、双方にとって良い結果となるわけです。
自社のカルチャーが見えるという恐怖
このサービスで注目なのは、企業側も診断して特性を可視化できるという点でしょう。
一般的にブラックだと思われている企業に何年も勤めている社員は、そのことをあまり自覚しておらず「うちは比較的いい会社のはずだ」と思い込んでいるケースが多かったりします。
・サービス残業をするのは当たり前だ。
・業者が発注側の言うことを聞くのは当たり前だ。
・気合があればなんだってできる。
・社内行事にはなにがあっても参加しなくてはならない。
・とにかく儲かることをやり続けろ。
社員の立場ではまったく自覚していなくても、上記のような完全ブラックな体質の企業というのは存在します。
こういった悪い体質が可視化できたら、うっかりブラック企業に入社してしまった、なんて間違いも防げます。
ただ、ブラック企業に勤めている社員は、自覚はないけど薄々自社の体質に気づいている、といった傾向があるように思います。
ですので、このサービスの設問に正直に答えず、実態とはかけ離れた結果となる可能性すらあります。
応募者も企業も「ミツカリ」のようなサービスを利用するメリットはあるでしょう。
ただ、そればかりを頼りにせず、自分なりに手広く情報収集をするしか、企業の実態を把握する手段はないかもしれません。
ただ、実際は入社してみないとわからない、といった側面は必ずあります。
入社前から過剰に警戒していては、前に進めなくなってしまいます。
仮にブラックだったとしたら、また転職すればいいのです。
転職の回数が不利になる時代も、終身雇用制の終焉とともになくなっていきます。
(⇒転職もしないでひとつの会社に留まっていると逆にヤバイという事実)
しっかりと情報収集し、事前準備が整ったら、後は思い切って自分の未来を切り開いていくのみです。