転職アドバイザーの佐藤クリスです。

 

憧れ?の会社に晴れて入社。就活中、会社説明会で一生懸命しゃべっていた先輩が新卒担当となり、面倒をみてくれることになった。

 

研修期間が終わり、先輩とのOJTが始まる。最初は取引先への同行を中心に、テレアポ、電話・メール応対や資料作成、その他雑務等々、簡単な業務がほとんど。

 

先輩は忙しい中、それらの業務も丁寧に教えてくれ、基本的な作業は覚えることができた。これから少しずつ先輩の仕事を引き継いでいくのだろう…と思ったのに、なかなかお客さんを渡してくれない。毎日対応に追われていて遅くまで残業し、首が回らない状態なのは傍から見ても明らかなのに、なぜ…?ライトなクライアントだったら自分でも引き継げるはずなのに…。

 

他の同期を見てみると、次々と自分の教育担当のクライアントを引き継いでいるではないか…! ひょっとして、自分は信頼されていないのでは??

 

こういう仕事を抱え込みすぎるビジネスパーソンは、実はけっこういます。

それはなぜか? 自分の仕事を奪われたくないからです。

 

 

面倒な仕事を抱え込んでも評価はされない

 

企業としての効率を考えるならば、業務わかりやすい形にしてどんどん引き継がせ、次の新しい仕事に向かっていくほうが望ましいに決まっています。そのために、人材を採用しているわけですから。
 

業務を引き継がせないで自分一人で溜め込んでしまうとどうなるか。その業務を把握しているのは社内にその担当者しかいなくなってしまいます。その担当者がいなくなると困る状況が生まれるわけです。

 

意識的にか無意識かどうかわかりませんが、彼は「自分がいなくなると困る」という状況をつくるために仕事を独占し、社内での評価を高めようとしているのです。

 

しかし、これは罠を仕掛けているようでいて、実は逆に自分が罠にかかっています。このタイプの社員はどんな仕事も頼まれたら引き受けるので、面倒な仕事が多くなり、業務過多になります。そして、「面倒な仕事はアイツに任せておけ」という空気が作られてしまい、仕事量を抱えている割には、会社からあまり評価されません。

 

会社から評価されるのは、売上を上げるなど数値でわかる基準と、固有の専門知識やスキルによってです。引き継ぎすべき案件をせず、勝手に忙しくしている社員は、結局会社に貢献しているとはいえません。それどころか、業務過多によりトラブルが発生するリスクすらあるのです。

 

新卒でこういう先輩の下についてしまったら、悲劇というほかありません。このような人材を野放しにしている会社にも問題があります。

 

先輩の上司に相談しても解決を見られないようであれば、他の会社に移る選択肢も考えたほうがいいかもしれません。