転職アドバイザーの佐藤クリスです。

 

政府が躍起になって進めている「働き方改革」。残業時間を減らす努力をしている企業もある一方、手付かずの企業も多いといった具合で、まだまだ全国的な広がりをみせているとはいい難い印象です。

 

そんな中、オランダ系の人材サービス会社ランスタッドが、「休日活動、仕事の状況に関する調査」を実施しました。調査の対象は、全国の一般企業に勤務する20~69歳の男女1800人。その結果は以下の通り。

 

「未消化の有給休暇が多い」…59.8%

「まとまった休暇が取りにくい」…53.4%

「在宅勤務など勤務時間・形態の自由度がない」…50.2%

 

有給休暇は取りづらく、固定された勤務形態に不満を多く持っていることがわかります。労働者の権利であるはずの有休ですが、周りの顔色をうかがいながら恐る恐る申請する、といった光景が目に浮かびます。

 

もちろん、大きな支障を来さない日程で取得するなどの配慮は最低限必要ですが、公休日の前日や後日には取りづらいなどの雰囲気があると、旅行にもなかなか行けず、リフレッシュもままなりません。

 

また、「残業時間が長い」といった不満も3割近くあり、こちらもまだまだ改革が行き渡っていないことがわかります。

 

生産性を上げるためには…?

 

そもそも、なぜ政府は「働き方改革」なるものを推進しているのでしょうか?その理由のひとつに、生産性の向上があります。

 

少子高齢化が進み、日本の労働人口は減る一方です。そうすると、少ない労働人口で経済成長を遂げるには、生産性を上げていくしかありません。そのためには、課題がふたつあります。業務効率化と、労働時間の削減です。

 

業務効率化と労働時間の削減…これは、ブラック企業がもっとも不得意とするもの。このふたつがずば抜けて悪く、しかし倒産までには至らない会社がブラック企業であるともいえます。

 

上司が帰るまで帰れない、無駄な会議が多く、その資料作成に夜遅くまでかかってしまう…といった無意味な慣習が、非効率と長時間労働を助長しているのです。

 

働き方の多様性が鍵

 

生産性を上げるためには、従業員の意欲・満足度を高めることも大切です。上記の「休日活動、仕事の状況に関する調査」でも休暇に対する不満が多いのがわかりました。

 

注目したいのは、「在宅勤務など勤務時間・形態の自由度がない」という不満がほぼ半数を占めていることです。

 

社会保障が充実し、生産性も高いとされる北欧のノルウェーと日本との働き方の違いを比較したデータがあります。

 

●始業・就業時間が決まっている

日本…65.5%

ノルウェー…17.5%

 

●働く場所を問わない「リモートワーク」が認められている

日本…20.9%

ノルウェー…77.5%

 

●休日出勤の頻度

日本「ほぼなし」…75.6%

ノルウェー「ほぼなし」…47.5%

 

(ワークスアプリケーションズが2016年に行った調査による)

 

これを見ると、ノルウェーはフレックス制度を導入し、個人のライフスタイルに合わせて柔軟に勤務していることがわかります。ノルウェーでは朝の通勤ラッシュでクタクタ…なんてことはなさそうです。

 

意外なのは、ノルウェーのほうが休日出勤の頻度が高いこと。といっても、ノルウェーの場合は会社に出勤するわけではなく、自宅で書類作成やメールでの対応をしているということだそうです。状況に応じて臨機応変に対応することが、効率化につながっていることがわかります。

 

同じ調査では、「自社の生産性が高い」と感じている日本人は23%、ノルウェー人は93%という結果が出ています。この結果だけを見れば、働きやすさが効率化を生むということがいえそうです。

 

労働人口は確実に減っていき、どの業界も慢性的な人手不足になっています。生産性向上を目指し、勤務形態を多様化するなど従業員の働きやすさを改善していかないと、企業は求職者から見向きもされなくなってしまうでしょう。

 

もし、あなたがヒドイ労働環境で働いていたとしたら、さっさと転職してしまうことをおすすめします。そういう会社は、今後生き残っていけないのですから。

 

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