転職アドバイザーの佐藤クリスです。
気分の浮き沈みが激しかったり、ちょっと上司に指摘されただけで深く傷ついたり、仕事はまったくやる気はないけど、休日になると急に元気になる…。
こんな人、あなたの職場にいませんか?もしくは、あなた自身かも?
これは典型的な「新型うつ」の症状です。20代、特に女性に多いとされています。
「新型うつ」のやっかいな特徴は、「まわりからするとわがままにしか見えない」ということ。自己愛が強く、他罰的になったりするケースも多く、従来の「定型うつ病」と正反対の特徴があります。
これまでのうつ病だと、自己否定的、自責的、見た目もどんどんやせ衰えてまわりからも心配されますが、新型うつは過食傾向があり、仕事以外ではものすごく元気だったりするので、同情されるどころか「単なるワガママ」と呆れられてしまうところが悲しかったりします。
ささいなことで、プライドがズタズタに
「新型うつ」の気分が落ち込んでしまうメカニズムは、「拒絶過敏性」にあると指摘する専門家がいます。
例えば上司に「最近ケアレスミスが多いぞ」と軽く注意を受けたとします。それだけの注意なのに、その言葉に過敏に反応してしまい「プライドをズタズタされた」と悲観的に感じてしまい、重いトラウマとなってPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状になってしまうといいます。
通常のPTSDは生死に関わる出来事など、深刻な体験をした結果発症する病気なのですが、「新型うつ」の若者は、何らかの原因でその沸点が異様に低くなってしまっているといえそうです。
「新型うつ」を放っておくと大変なことになる!
実は「新型うつ」という病名は心理学上では存在せず、マスコミがつくった言葉です。新型うつは「非定型うつ病」との類似点が多いと指摘する学者もいます。その特徴は、自分に不都合な出来事が起こると気分が沈み、楽しいことがあるとウソのように元気になる、しかし長続きせず、また憂鬱状態に戻ってしまう、といったように、「新型うつ」とよく似ています。
ともあれ、「新型うつ」的な症状のある人は、そのままにしていてはいけません。もちろん、放っておくと社会生活にひどい悪影響を及ぼしますし、症状が固定化してしまい、治りづらくなってしまうといいます。
新型うつはパニック発作を起こす場合もあり、パニック障害との関連性も指摘されています。重病化する前に、適切な治療が必要です。
ですので、「新型うつ」を「若者のワガママ病」と片付けると大変なことになります。もし、「新型うつ」的な傾向のある社員がいたら、休職させるなりカウンセリングを勧めるなりしないといけません。社内でできることは限られているので、専門家の判断を仰ぐのが得策といえるでしょう。
従業員数50人以上の企業は、従業員のストレスチェックが義務付けられています。従業員のメンタルヘルスを疎かにする会社は、充分にブラック企業の要素があると考えられます。
もし、あなたが仕事によってメンタルがおかしくなったとき、会社はどんな対応をしてくれるのか…?
こんな視点も、転職を考える大事な要素のひとつかもしれません。
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