転職アドバイザーの佐藤クリスです。
新卒入社社員の約3割が、3年以内に退職しているといわれています。
とはいえ「3年間は我慢して続けないと仕事を覚えない」という意見も根強く、迷っている人も多いのではないでしょうか。
このサイトの趣旨は、「会社に何かしらの耐えられない不満があれば、3年といわずさっさと転職してしまいましょう」であります。
ただ、「仕事は3年くらいは続けないと覚えない」という意見にはおおむね同意しており、そこまで嫌でなければ3年間はがんばったほうが良いとも思っています。
3年も続けていれば、その仕事に対しての土台ができてくるので、他の業界でもチャレンジしてみたいという成長意欲が目覚めてくる時期でもあります。しっかりとした自分なりの考えがあるのなら、その時期の転職は非常に良いことだと思います。
入社3年目の転職がもっとも多い
マイナビ転職が行った「初めて入社した会社を辞めたのは、入社何年目の時でしたか?」という調査によると、入社3年目が25.7%ともっとも多く、3年以内に辞めた人の合計は全体の65%以上という結果が出ています。
(※全国20~39歳の公務員・会社員(パート・アルバイト除く)113人 調査方法/インターネットリサーチ)
3年くらいで仕事を一通り覚えた上で、次のステップへ進むビジネスパーソンが多いことがわかります。
しかし、ただ単に「辞めたい」という気持ちばかりが先行していたら、おそらく転職には失敗してしまいます。どうして辞める必要があるのか、転職の目的をしっかり持っていなければ、面接も上手くいかない可能性が高いのです。
ついつい高給に釣られてしまい…
私の知り合いの転職コンサルタントから聞いた話です。
中堅の生命保険代理店に勤めていたA子さん。
新卒で入社して3年目。営業経験を活かして転職を考えていました。転職したい理由は、以下の通り。
●給与がインセンティブで安定しない
●個人プレーの社風なので、もっと仲間からノウハウを吸収したい
●営業単体ではなく、社内スタッフから協力を得ながら提案する仕事がしたい
当初は転職エージェントサービスを使わず、自分で転職サイトを見ながら会社を探したそうです。転職サイトに職務経歴を記入して登録した翌日、誰もが知る大手生命保険会社からスカウトメールが届きました。
希望とは違ったのですが、とりあえずスカウトの内容を見てみると、即戦力として活躍して欲しい、給与もそれ相応に考えている、とA子さんの経歴をかなり高評価している模様。話だけでも聞いてみようと面接に行ってみると、予想以上の給与金額の提示と面接官の熱意にほだされ、結局その大手保険会社に入社を決めてしまったそうです。
大手の保険会社も、営業スタイルは基本的に前社と同じ完全個人プレー。それでも売上がダイレクトに給与に反映されるので、A子さんはこれまでの経験を活かしてがんばって稼ごう…と気持ちを切り替えたつもりでした。
入社3ヶ月目に大型契約を決め、社内でも注目を集めたのですが、そこから緊張の糸がプツッと切れたようにモチベーションが急降下。出社するのもやっとの状態になってしまったのです。
「やっぱり何の助けもなく、自分ひとりの力だけでがんばり続けるのはムリだ…」
転職前に抱いていた不安が表面化し、結局、再び転職することになりました。
転職エージェントを利用してブレない転職活動
2度目の転職の際は、前回の反省を踏まえて転職サイトで探すのではなく、転職エージェントに相談。そこで担当となったのが、上記の私の知り合いのコンサルタントだったという訳です。
転職したものの3ヶ月しか続かなかったのは、転職したい理由からブレて高待遇につられてしまい、前職とまったく同じ仕事に就いてしまったため。
もう一度転職の理由を確認し、営業同士のノウハウ共有や多職種との協働、チームワークのある会社を転職コンサルタントから数社紹介してもらうことになりました。
A子さんが選んだ会社は、中堅の広告代理店。広告代理店の営業は、基本的にはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、交通広告、webといった広告媒体を売ることになるのですが、各クライアントの課題を見つけ、最良の形にカスタマイズして提案しなければなりません。
ひとつの広告をつくるのには、プランナーや媒体担当、デザイナーやアートディレクターなどとの協力が必須です。
また、営業はチーム制で動いており、そのグループが毎月達成しないといけないノルマがあります。メンバー同士で助け合ったり、先輩にアドバイスしてもらいながらクライアントにアプローチしていきます。
まさに、A子さんが望んでいた環境が、広告代理店の営業職だったのです。
これまでとはまったく異次元の業種でしたが、保険営業での経験を認められ、見事採用が決定。ひとつずつ知識をつけながら活き活きと働いているそうです。
やはり、大切なのは「どうして転職しなければならないのか」というしっかりとした転職の動機です。これを面接官が納得できるように説明できれば、採用の確率は飛躍的に高まるでしょう。
「転職の同期がイマイチはっきりしない」という方は、やはり転職エージェントに相談し、自分の考えを整理してもらったほうが良いでしょう。あなたのモヤモヤ感を、うまく言葉にしてくれるはずです。
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